山梨農業移住日記

2017年より、都心から山梨に移住し、農業を学び始めました。学んだこと等を備忘としてブログに残していきたいと思います。

誘引・摘芯を体に覚えさせた3日間(農大79,84,89日目:8月後半の農家実習)

皆さん、こんばんは。
GWも終わり、季節はどんどん夏に向かってますね。
お日様が良く照ってくれる山梨県。太陽の活躍=暑い!ということで、既に夏模様です。ハウスの中も猛暑です(^^;)
体調崩さないように気を付けつつ農作業しております。
さて、今回は8月後半の農家実習のお話しです。
 

■キュウリのテープ誘引

定植した苗はどんどん大きくなっているので、誘引して上に上に伸ばしていきます。
1節に1巻きさせて、成長点までくるくると誘引する作業。イメージとしてはしっかり巻くというよりも、絡めていく感じです。

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倒れてしまって、軸が曲がって成長してしまったものは、無理矢理起こそうとはせずに、曲がる直前までを誘引します。無理矢理起こそうとすると、折れてしまうので要注意です。

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夏場は暑いのであっという間に成長します。1週間単位で倍になっていくぐらいのスピード感です。

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成長したら、くるくる巻いていくという作業。
しっかり巻いていかないと、キュウリさんがあらぬ方向に伸びていくので、しっかりと作業するのが大事です。
 

■南湖で栽培するにあたっての地域特性等を教わる

南湖地域の気象の特性(雨が集まってくる)であったり、キュウリ栽培のポイント(定植後の注意点や、根が張ったかどうかの見極めのポイント、摘芯摘葉のタイミング・方法、品種の違い等)を作業の休憩中に教わりました(^^)
大事なポイント目白押しなので、Evernoteにメモメモ。
 

■キュウリの摘芯作業

誘引と並行して、摘芯作業も進めます。
2節目以降実がなっていても、実の肥大が悪くなるので、1節でとめるとのこと。
1節でとめて身を肥大させて収穫し、その間に2節目以降が伸びていくのでまた、1節分でとめる。の繰り返しです。

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 小さい実がなり始めています。

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この摘芯作業を素早く正確にできるようにならねばと、必死に芽を摘み続けました(^^;)
 

■作業中に見かけた虫さん等

カメムシさん。

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テントウムシさん発見。テントウムシだったと思う。ダマシではなかったはず。

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ハモグリバエさんの痕跡。こちらは害虫さんなので、対応必須。

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と、こんな感じで、成長にあわせて、誘引に摘芯にを必死に続けた3日間。
体で作業を覚えていきました。
が、季節は8月後半。外気温が高い中で、ハウス内はさらに温度上昇ということで、暑さで思考が止まりそうになったら外にでて水分補給して熱中症にも気を付けつつ、といった8月後半の農家実習でした。
 

果菜の収穫と管理に追われる日々…さらに秋野菜も(農大78,81,88日目:栽培実習)

皆さん、こんにちは。

暑くなってきましたね~。GWいかがお過ごしでしょうか?

僕は、畑仕事に精を出してます。

レジャーでお楽しみの方も、予想以上に暑い日がありますので、熱中症に気を付けましょうね~。

 

さて、今回のブログは昨年8月終盤の栽培実習についてです。 

 

■収穫と出荷調製と管理作業に追われた1日(農大78日目 8/16)

この日は、情報共有からスタート。

台風が近づいているということで、台風前後の対策について、県の農業技術課のサイトをみると良いことを学び、お盆は大抵出荷休みになることが多いので、病害虫対策と樹勢を落とさない管理が重要という事を学びました。

 

その後、さっそく果菜類の収穫から作業開始です。

トマト、キュウリ、ナス、ズッキーニ。

さらに有機のひもとうがらし、ハラペーニョ、ナス、ズッキーニ、トマト。

収穫が終わったら、果菜類の管理(追肥、誘引、摘葉)作業。

ナス、キュウリは追肥(窒素分3kg /10a)、トマト、キュウリは摘芯作業です。

有機にも、カツオソリュブルなる液肥を1l/1株実施します。
ズッキーニさんは、マルチを剥がして移植して、ネキリムシ対策を実施しました。
 
とここまで、結構作業したのですが、雨模様で、写真なし(^^;)
すみません。。。(一応、作業風景のみ取っていたのではっておきます。)

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果菜類管理後は、秋野菜の鉢上げです。 
さらに、秋野菜の播種、定植を行いました。
(ここも、写真なしです…)
 
播種、定植終了後は、班の中で自分たちが管理する畝で何を植えるか、作付け計画を立てました。
何植えようかと、皆で意見を出し合いながら、わいわいと計画策定完了。
こんな感じです。

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その後は、有機のトウモロコシを収穫してみて、適期判断。
虫もついておらず、房重も380gを越えているものが多く、先端までびっしり詰まっているのが確認できました。(つまり、適期ということです。)

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最後にカボチャの収穫、保存を行いました。
収穫目安は、グランドマークであったり、軸であったりを見ながら判断するようです。

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収穫したカボチャは、風通しの良い場所で保存します。

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この日はここまでで終了です。 

 

■果菜に追われつつ秋野菜の準備を開始(農大81日目 8/21)

この日も情報共有からスタート。6次化について学びました。あくまで生産が主軸であり、6次化が目的にならないようにすることが重要ということを、肝に銘じました。

 

作業は果菜類の収穫からスタート。

農大のトマトが美味しいと発注してくださった方がいるとのことで、その方向けに出荷調製しました。

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それ以外も収穫したものは市場向けに箱詰め、袋詰めです。
 
収穫、出荷調製しつつ、作物の生育状況について再度認識合わせです。
トマトは、疫病、りんもん病、かいよう病、うどん粉病、ハモグリバエ、コナジラミ、オオタバコガが発生中。
キュウリも、ベト病、うどん粉病ウリハムシが発生中。
 
キュウリのベト病。

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この子たちはキュウリの根元を食害します(^^;)

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害虫の発生状況を把握していくにはトラップをしかけて、かかる虫を観察していくのがよいとのことです。

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次に有機と慣行で分かれて作業です。
有機は、コールラビ2種、ケールを播種して、堆肥のための落ち葉集めをして、トマトの収穫、整枝、ウィルス株の除去を行ったそうです。
 
僕は、慣行圃場で作業。
前段の出荷調製に時間がかかってしまったので、引き続き実施して、出荷。

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終わったら、ダイコン、ハクサイを播種し、自分たちで作付け計画をたてたエリアも、施肥、耕耘、マルチ張りをしました。

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耕耘中は、トラクター運転する人以外は、キュウリの適用を実施。
ベト病とうどん粉病の葉を中心に摘葉。
さらに、アブラムシが付いている葉も摘葉。
ウリハムシは見つけ次第、捕殺です(^^;) 
一部だけ、変な生育の葉があったので先生に共有したところ、ウィルス病との診断結果。後日引っこ抜くことになりました。

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と、作業に追われた一日でした。 
 

■果菜作業からの秋野菜定植(農大88日目 8/30)

 
この日も恒例の情報共有からスタート。
露地キュウリ、露地トマトが生産終盤を迎え、市場相場が高くなってきているとのこと。頑張って樹勢をキープして出荷し続けたいところですね。
 
ということで、気合をいれて、この日も作業は果菜の収穫と出荷調製から。

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終了したら、管理作業。
キュウリ、トマト等、葉が劣化して来ているので、樹勢が落ちないように摘葉実施しました。
 
ナスは、枝抜きという作業を実施。
これは、中央に陽が入るように、内側に伸びた枝を抜く作業。

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キュウリさんとズッキーニさんは、ウィルス株が出てきたので、除去しました。
写真は、キュウリさん。
除去しないと、周りに伝染して拡大していくので、株ごと引っこ抜いて、後程焼却処分です。

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エダマメも撤去です。こちらは病害とかではなく収穫終了の為。 
 

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午後も引き続き、管理作業。
キュウリの摘葉と害虫駆除からの~…

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トマトの摘葉と誘引からの~…

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ナスの枝抜きと摘葉です。

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有機圃場では、ネギさんに追肥し、エースローターを用いて土寄せを実施しました。
 
トマト、キュウリ、ナスも動噴を利用して追肥です。

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一通り、果菜類の管理が終わったら、秋野菜の作業です。
ダイコンは、間引きと追い播き(生育が良くない箇所に改めて播種)を行いました。

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ハクサイ4種(晴黄60、黄ごころ65、オレンジクイン(75)、きらぼし85に加えて、カリフラワー(スノークラウン)、カリフローレ、茎ブロッコリー(スティックセニョール)、ブロッコリー(ハイツSP)、キャベツ(冬藍)、キャベツ(初夏のかほり)を定植しました。

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と、こんな感じの栽培実習3日間。
夏終盤で、果菜類もピークになりつつ、秋野菜も準備を開始してと、忙しい実習でした。
 

秋作キュウリの準備から定植、定植直後の管理作業(農大72,75,77日目:8月前半の農家実習)

今回は8月前半の農家実習のお話しです。

7月後半は秋作の準備から定植までを行いましたが、8月前半も引き続き、残りのハウスの定植と初期生育管理を学びました。

 

■まだ定植していないハウスの畝への灌水

既に定植したハウスと同様、定植前に十分な保水力を持たせるために、畝にホースで灌水しました。

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灌水していると、こんな穴が。モグラかな?とのこと。

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利用したホースはしまう前にきちんと洗って、巻きとります。
 

■田んぼの土用干し

作業の合間にはハウスの隣にある田んぼを、休憩しがてら観察。
土用干し中です。

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■定植後ハウスの畝の雑草取り

定植したハウスについては、畝上にちょびっと雑草が出てきているので、雑草取りをしました。

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■キュウリを吊るための麻紐作り

もう少し成長した段階で摘芯し、2本仕立てにするのですが、その段階でハウス上部に貼られたワイヤーに麻紐を括り付けて、まっすぐ伸びてもらうためにキュウリを結わきます。
そのための麻紐作り。
予め、上部からキュウリまでの長さを測っておいて、くるくる巻き付けてカットすると効率的!

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■台風対策について

台風が近づいてきているということで、台風対策について教えて頂きました。
盆地はあまり台風直撃ということはないそうで、笛吹川の上流、釜無川の上流の降雨量、アメダス等を気象図をチェックして、下流に多くの雨が来ないかどうかを確認するそうです。

 

笛吹川の水量があがると、下流までいった水が逆流して南湖の方に登って来るので注意が必要とのことでした。

そのうえで、雨対策としては…

畑がどのような立地にあるかを事前にきちんと把握しておくこと(近くに川があるかどうか、高さはどうか、水はけはどうか等)が重要で、元々田んぼだった畑は、土地が低いために対策が必須とのことです。

周囲をベニヤやコンクリート、煉瓦などで囲って浸水を防いだり、ハウスの周囲をほっておき水がそこに流れるようにしておいて、動噴などで川に吸い出してあげる等が必要になります。

そして、仮にハウス内に浸水してしまった場合を想定して、出来る限り高畝にしておくということも重要だそうです。
 
風対策としては、ビニールハウスによりけりだそうで、パイプの軽いハウスであればビニールを取ってしまうのも一つの手段。一方で、鉄骨のしっかりしたハウス、連棟ハウスであれば、きちんとビニールを締め切っておけば問題ないそうです。

 


■キュウリの誘引作業

定植後生育が進んだ段階で、誘引作業を実施します。
前回切っていた麻紐が、ハウス内のワイヤーに1株2本ずつ結わってあるので、それをキュウリの根元付近に、緩く縛ります。
あまりキツく縛るとストレスを与えてしまうので緩く。
また、地面に枝がついてしまっているものは、麻紐に引っ掛けて起き上がらせておきます。

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もう少し大きくなったら、更に麻紐に巻き付けていきます。

麻紐を伝って成長しているものは良いのですが、地面に這うように成長してしまっているものがあり、麻紐をひっかけるように巻き付けて、地面から起こしてあげます。この時、茎が折れないように無理しないで丁寧に作業するのがポイント。

くるくると右巻きに1節1巻きぐらいで巻き付けます。

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ちなみに、複数人で作業する場合、右巻きか左巻きかを決めておかないと、後々ここは右巻きでここは左巻きでなんて感じで作業効率が落ちるので、重要です。

 

■摘芯と摘葉

 

 

誘引と同時に摘芯と摘葉も行います。既に成長点の摘芯は済んでいますが、わき芽が3本程度出てきているので、樹勢の良いもの2本を残して、残りは摘芯しておきます。

また、うどん粉病が出てきているので、1葉目のキュウリの葉を摘葉します。

 

■台木のカボチャさん

台木のカボチャが接木したところから成長して、芽が出てきてしまうことがあるので、そういった芽は摘芯します。

 

■虫さんと病気について

この時期の虫と病気についても学びました。実際にハウス内を見ながら、コナジラミやアブラムシが徐々に出てきていることを確認。また、ハンスモンヨトウが葉を食べているので、葉に穴が空いていたら裏返して虫がいないかを確認し、いたら対処します。
病気は、うどん粉病。乾燥・高温だと出ると言われているそうですが、湿度があっても発生するそうなので、見つけ次第、摘葉します。

 

ちなみに、虫でも病気でもないですが、キュウリの葉で休憩していたカエルさん。結構います。

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癒されます。

  

■定植後の灌水

ベッドに灌水する際には、苗の上からかけないように周りからやさしく灌水するように心がけます。灌水チューブでも灌水しているため、定植前ほど多めの灌水はしなくてよいそうで、2往復ぐらいで十分とのこと。

日中の気温が高く、カーテンや換気での対策を実施しても、一部定植した苗が日焼けやしおれてしまったりすることがあるそうで、地温を下げることを目的に通路にも灌水を行いました。

写真は、防虫ネット越しなのでちょっとわかりづらいです(^^;)

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と、こんな感じで、定植前の作業から定植後の早期の作業について日々学んだ8月前半でした。

 

 

 

虫と病気と栽培方法と獣と(農大71,76日目)

今週も雪が降りましたね~。

寒波はなかなかさってくれず、毎朝凍えています(>_<)

早く暖かくならないかな~。。。

ということで、気分を夏にするためにもブログは夏のお話しです(笑)

 

■病気と虫を学び、5つの作物の栽培方法を学ぶ(農大71日目 8/2)

午前中は病害虫防除の第3回目。

病害虫防除は作物の状況をきちんと見つつ、種苗会社のサイトや、山梨県病害虫防除基準・農薬適正使用指針などを参考に、適切に対応してね、というのがメインのお話し。

加えて、各地域でJAさんが防除暦というものを作っているとのことで、それにそって防除していくのも有効だよと教わりました。

(後日、就農予定地域のJAにいって防除暦ってありますか~?と聞いたところ、「果樹にはあるけど、野菜はないよ~」といわれました。どうやら、施設栽培の野菜はハウスによって環境が全然異なり、出てくる病害虫も異なるため暦という形で定めるのが難しいようです…)

 

その後は、施設トマト、露地トマト、施設キュウリ、露地キュウリ、露地ナスに発生しやすい病気と害虫についての説明を受けて、この日の授業は終了。

 
うん、きっと圃場にでて実物を見た時にはどれがどれだかわからない(笑)
ので、異変をきちんと感じ取る力だけは、農大にいる間に身に着けようと心に誓ったのでした。
(異変を感じ取れれば、あとは騒いで周りの人に助力を求めれば何とかなるだろうという若干他力本願な考え方ですが…初心者ですからね、それもきっと大事。)
 
午後は、栽培概論の授業。
ブロッコリー、カリフラワー、ダイコン、チンゲン菜・ターサイについて学びました。
 
カリフラワーは、普通に栽培しても奇麗な白色にならないらしく、実が充実してきたら葉を折るとかして実の部分に光が当たらないようにしないと、日焼けしちゃうそう。
 
ダイコンは、すべてが根ではなく、胚軸と根に分かれているそうです。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

また、ダイコンは下に行けば行くほど辛くなるそうで、葉に近い部分はサラダなどに向いていて、下の方は薬味に使うなど、調理方法を変えるのが良いそうです。
 
他にも好光性と嫌光性の作物の違いとか、ハウスの塩類集積についても学びました。
 
病害虫に栽培方法に、色々学びの多い一日でした。
 

 

 

■獣との付き合い方を学ぶ(農大76日目 8/9)

76日目は鳥獣害の授業。
獣害対策と調査技術についての座学からスタートです。
 
まずは山梨で見られる獣についてのお話し。
山梨では概ねタヌキ、アライグマ、ハクビシンアナグマの4種で、アライグマ、ハクビシン外来種で駆除対象となっているそうです。かつては山梨には存在しなかったが、神奈川から流れてきているとのこと。
アライグマは南アルプス市の甲西エリアに多く出没しており、年10頭ほどNPOにて捕獲していて、北杜市はいないけど、甲斐市韮崎市当たりでは出てきていて、生息域を拡大してきているみたいです。北米原産のザリガニが大好きで、水田の近くを好み、亀とかもエサになってしまうようです。
 
次に、獣の習性について。
獣は普段ないものに敏感で罠が新しく設置された場合、まず警戒して近寄ってこないため、必ず通る他の選択肢のない獣道に設置するとか、餌の無い冬場に設置する等して、捕獲率を上げる工夫をするそうです。
 
  
調査技術についても学びました。
無線技術(VHF発信機)を活用してどこから侵入してきているのかを把握するそうです。(※さくらんぼ泥棒感知にも転用可能。)欠点としては、毛づくろい等でアンテナがもげてそこから漏電するといったこともあるとのこと。
また、植物が上に繁茂している等、障害物があると、無線が飛ばないため利用できないため、設置場所は検討が必要です。
GPSは映画とかだとすごい細かい精度で追跡ができてますが、民間で使うものの場合はそこまで精緻なデータは取得できないそう。また電池の限界というものもあり、万能ではないため、行動圏を把握するぐらいの目的で利用するのがよいそうです。
 
以下、先生が持ってきてくれた発信機と受信機の実物です。
 
・発信機

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・受信機

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最後に獣害対策・捕獲技術を学びました。以下ポイントです。
  • 鉄砲は1543年頃に伝来したものだが、罠は1万年ほど前から存在する技術で、罠の歴史を探っていくと、とても面白く、獣と人間の知恵比べの歴史を学べる。
  • 動物の生態を知りつつ、効果的な罠を考えると良い。
  •  エサを設置する時はビニール手袋+軍手等で人間の匂いを残さないようにする。残してしまうと、匂いを嗅いで避けてしまう。(雨が降れば匂いが消える。そのため、雨が降りそうな前の日などに罠を設置するとよい。)
 
ここまで学んで、じゃあ前回取り付けたセンサーカメラの中身を確認しよう!ということになったのですが…
 
 
 
何も映ってない!!!
 
 
 
 
恐らく、電池切れで撮影できなかったのではないかとのこと。
折角色々考えて設置しても、こういったエラーがあるとそれまでの作業が無になります。
チェックって大事ですね。
 
ということで、切り替えて、実習を開始。
 
はい、僕獣になってみました(笑)

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獣になりきって、捕獲箱の仕組みを理解しました(笑)
 
 
次に、設置箱の解体。結構大変です。

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解体が終わったら2班に分かれて、先ほどの発信機受信機を使った調査の実習と、罠の設置実習です。
 
調査の実習は、一方のチームが発信機を隠して、もう一方のチームが受信機で探しました。
受信機を使う時は、体の前に受信機を縦にして探すそうです。人間の体は60%〜70%が水分のため、縦にして持つと、後ろからの電波を遮断し、前方からのみ電波を受信するようになり捜索範囲を絞りやすくなるそうです。
こんな感じ。

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この点に注意して、念入りにあたりを捜索して…
発見!!(写真真ん中あたりに見える赤いのです。)

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ちなみに、隠す時に僕が隠したのですが、見つけずらい場所すぎて相手チームからクレームが来ました(笑)
 
 
相手チームが探している間は、改めて農大周りの獣の痕跡をチェックしつつ、罠(捕獲箱)の設置です。
 
サル用捕獲箱設置。柿の木にサルらしき被害があったためそこに置いて、釣り餌として色が判りやすい圃場のスイートコーンと黄色ズッキーニを置いて、ついでに改めてセンサーカメラを置きました。

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ハクビシン用捕獲箱設置。桃をエサに誘導。

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実習が終わったら、教室に戻ってきて最後は講義。
GISについて学びました。
 
Googleマップのマイマップを利用して簡易GISを作ってこの日は終了。
獣のことを考え続けた一日。
移住してくる前は、獣なんて遠い存在でしたが、山梨では結構普通。
なので、大切な知識です。
今後に役立てねば~と思いながら、帰路につきました。
 
71日目と76日目はこんな感じでした。
座学に実習にと、知識を詰め込んだ2日間でした。
 
 
 

夏野菜真っ盛り(農大70,73,74日目:栽培実習)

今回も真夏の栽培実習のお話しです。 

基本は果菜類の収穫と管理ですが、合間に技術センターに行ったり、台風が迫ってきたので台風対策したりと大忙しでした。

長くなりますが、お付き合いくださいm(__)m

 

■夏野菜を楽しみつつ、秋野菜に備える(農大70日目 8/1)

朝一情報共有から。

先日担当畝制度が始まったので、時間外とかにどんどん管理しましょうね!という話から、有機圃場に鶏糞10kgを追肥し、灌水もおこなったところ、すごく効果が出てきたという話を聞いて、最後に農家発の農産物の新しい表示方法(Food ID)をひまわり市場で実験中(例 : 減農薬、タネの由来、温度差、標高等)で検索)といった話を聞きました。

 また、販売実習に向けて事前にメディアへの投げ込みをしたい場合は、イベント5日前までに県庁記者室にイベント概要資料を持っていけば、記者さんの目に留まるかも!?という話も聞きました。この点は、就農後も何かイベントをたくらむ時に利用できるかもな~なんて思いながら聞いてました。
 
さて、ここまで話を聞いたら、次は実際の作業。 
果菜類の収穫です。
スイートコーン、ナス、キュウリ、トマト、ズッキーニをどんどん収穫します。
有機圃場についても、作物の状態を見ながらトマト、キュウリを収穫。
収穫したものについては、市場に出荷するので、調製(箱詰め、小袋詰め)をします。 

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終わったら、果菜類の管理作業。
トマト、キュウリ、ナス、ズッキーニは追肥を窒素分10aあたり3kgで実施。
トマトの防草シートを張って…
トマトとキュウリの摘葉と芽かきをしました。
 
有機圃場では、果菜類の誘引作業。
また、トマトにオオタバコガが多く発生しているので、見つけ次第駆除しました。 
 
ここらへん、写真撮ってなかったorz
 
その後は、秋野菜の準備を開始。
128穴黒セルトレイを利用して、元気くんセル専用をいれて、全品種0.5トレイに1粒/1穴播きしました。深さは粒の2〜3倍。覆土はバーミキュライトを利用して、播種後、底面給水を実施。
 
播種したのは以下の作物たち。
 
  • カリフラワー(スノークラウン)
  • カリフローレ
  • ブロッコリー(スティックセニョール)
  • ブロッコリー(ハイツSP)
  • キャベツ(冬藍)
  • キャベツ(初夏のかほり)
  • キャベツ(みさき)
  • ハクサイ(晴黄60)
  • ハクサイ(黄ごころ65)
  • ハクサイ(きらぼし85)
  • ハクサイ(オレンジクイン 75)
  • ビーツ(デトロイト・ダークレッド)
  • レタス(エクセル ヘッドグラス)

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元気に芽が出てくれるのを祈って、この日の作業は終了です。
 
  

■作業からの総合農業技術センター視察(場農大73日目 8/4)

この日も作業のスタートは収穫から。

ナス、キュウリ、トマト、ズッキーニとナス科のパプリカ、シシトウ、万願寺トウガラシ、ハラペーニョを収穫しました。農業体験参加者のお土産にするとのことで、調製せずにコンテナのまま保管です。

 

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その後はナス科の誘引作業。

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そしてパプリカの整枝と誘引作業。 

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さらに、ナスの更新剪定(近頃は行わない技法で、かつて施肥等の基準が不明瞭だった時に、ナスを休ませて秋口まで収量を確保するために行っていた剪定方法だそうです)を実施。

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有機圃場では、ニンジンを収穫し… 

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果菜類を収穫し…

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次年度に向けて、米ぬかを施肥してトラクターで耕耘しました。

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米ぬかは圃場のわきに袋に入れてあったのですが、虫マニアの先生でもよくわからない虫が大量発生してました(笑)

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午前中余った時間で、販売実習に向けた作業も行いました。
 
午後は、特別講義ということで、双葉にある山梨県総合農業技術センターに移動して、研究結果を聞いて、センター内の圃場を紹介してもらいました。
 
伺った研究結果は以下のとおり。
  • 水稲の玄米外観品質を安定させる新配合肥
  • 硬質小麦ゆめかおりの穂肥診断基準
  • 夏秋どりイチゴの新品種育成
  • 早出しスイートコーンの低温障害を軽減するためのトンネル管理技術
  • 富士北麓地域における夏秋どりスイートコーンの倒伏軽減技術
  • アスパラガスの冬季連続伏せ込み栽培
  • ヤマトイモについて
  • 花き(ピラミッドアジサイ、ミニコチョウラン、シンピジウム)について
  • リン酸・加里成分を低く抑えた環境にやさしい肥料の開発
  • 富士北麓地域におけるスイートコーンを基幹とした3作1回施肥
  • 安心安全な県産農作物供給のための取り組み
  • キュウリ褐斑病菌の薬剤耐性と有効薬剤
  • シクラメンに発生した新病害(ピシウム根腐病)の発見と対策
  • 自分の畑は自分で守る:簡易電気柵の開発
  • 黒色防鳥糸によるカラス被害防止技術開発
時間もないので、駆け足で研究概要と効果を聞きました。
研究結果は、レポートの形でホームページにまとまっているとのことで、時間を見つけて読もうと思います。
(全然関係ないですが…年度ごとに研究結果が載っているをできれば作物毎にしてもらった方が関心のある分野のみを追えて楽ちんと思ったりします…変えてほしい(笑))
 
その後、センター内圃場見学です。
側枝更新剪定をしたナス。

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稲の試験場。山梨には独自品種はないので、他県の品種を県内で生育できるかどうかを試験的に行っている。また、農薬のテストをしているとのこと。

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トマトハウスは夏場の温度調整のために、ハウスに灌水チューブで水をかけていました。かけている間は3℃ほど、温度が落ちるとのこと。

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イチゴのハウス栽培。中に灌水チューブが入っていて、とっても水はけのよい土壌にしているらしい。

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トウモロコシの試験。毎週定植を行い、いつ頃が適期なのかの見定めを行っているとのこと。

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と、研究の一部に触れて、農業も科学だな~と感じて、この日は終了しました。 

 

■急ぎ足で台風対策(農大74日目 8/7)

この日も当然、果菜類の収穫から開始。
ですが、台風が迫っているとのことで、急ぎ足。

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万願寺トウガラシは農大圃場だと生育が良くないようで、本来ならこの3倍ほどの大きさが欲しいみたいです。

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果菜類等、色が入るものは、木で成熟させるのと、追熟させるのとでは味が全然違うので、売り方も木で成熟だとそれだけで商品価値があがるとのことでした。
 
有機圃場での作業も、露地の果菜類収穫及び管理作業。ここも急いで実施。

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加えて、以下の作業も実施しました。これも急いで実施。
  • ハウスの果菜類収穫及び誘引
  • ネギの株の近くを手で除草し、BM鶏糞1袋施肥し、エースローターで土寄せ
  • ニンジン播種(ごんべえ利用) ※有機の場合は事前に透明マルチで太陽熱消毒(虫を殺す、雑草を殺す)を最低でも2週間行った上で(出来れば1ヶ月)、播種機でまく
 
ここまで急ぎ足で作業していたのは台風対策をするため。
 
慣行果菜類(トマト、キュウリ、ナス、その他ナス科)について、出来る限り誘引作業を実施。テープナーで、成長点等を誘引して、暴風雨による枝折れ等を防止しました。 

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ここまで終わって、雨脚も強くなってきたので、格納庫にこもって作業。
 
収穫したものは、慣行・有機双方ともに出荷調製。

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それが終わってからはちょっとした座学。
まずは、台風対策のポイントというか、台風の時はどんな作業が必要かを教わりました。
メインどころとしては…
  • 傷付く等の影響を考慮して早めに収穫してしまう(JAでもそういった指導をされる場合あり)
  • 山梨県でも台風対策をまとめたものが提示されている ⇒ 山梨県/農業気象災害
  • トマトの雨除け等は、風で飛ばされるなどの被害を避けるために、外してしまうこともある。特に風で資材が飛ばされるとなると、周りにも被害があるので、自分たちだけのことを考えないことが大切。
  • 台風、大雨の前後で殺菌も重要になる。傷んだところから病気になる可能性もあるため、それを防ぐ。
などなど。 
 
また、市場出荷について、初回の出荷での売値が安かったことから、信用してもらえるために何をして行くか、良いものを、出しながら認めてもらうために、苦しくても市場の人とコミュニケーションを取ることが大切だよね!といった話を伺いました。また、農協に出すにしても産地に入って、産地のモノを作らないとブランドがないため売れない。そういう面も考慮して営農計画を立てる必要があるよ、ということも聞きました。
 
次は話変わって「ひもとうがらし」について。
  • 緑色で直径5ミリぐらい、長さ10〜15㎝で収穫する。
  • 大和(奈良)の伝統野菜。
  • 柔らかく甘みがあります、シシトウのような苦味がない。
  • 油と相性が良く、天ぷら、炒め物に向く。
  • 取り遅れは皮が固くなり、辛味が出る恐れあり。
うん、なんか美味しそう。早く収穫して食べたい!という気になりました。 
 
最後に、管理作業の重要性。特に、適期作業の重要性と新規就農時に陥り易い失敗ポイントというのを伺いました。
実は、この日の台風対策作業でズッキーニの葉かきを途中まで行ったが、それを辞めて育苗中のものだけを管理し、その他は諦めました。これは時間が限られている中で自分の時給を考えた上で、どこに工数を注力すべきかということを考えた上での判断が重要だよねと。
すでに倒れてしまっていて、茎が腐って実も余りなっていない苗を管理するよりも、これからまだ成長が期待できる苗に対して、自分の有限の工数を割いた方が良いよねと。
この判断ができないと、適期遅れのものに注力してしまったり、あまり生育の良くないものに注力してしまい、折角お金の取れる品質が良いものが他にあるのに、そこに力を入れられないということになります。
新規就農時に陥りがちな失敗ポイントとしてはここの判断を誤ることがあるそうで、折角育ててお金を投資した作物だから諦めきれず、全部収穫しようとしてしまうが、そうすると、全ての作物が適期を外れてしまい、結果的に悪い方向に行ってしまうそうです。
肝に銘じます。
 
ここまで教わってこの日は終了でした。
 
果菜類の収穫と出荷調製に追われながら、どんどん管理作業も入ってきて、天候次第では台風対策等の追加作業も入ってくるこの時期は、忙しい!!!
と、実感した3日間でした。 
 
 

 

 

 

果菜類の出荷と市場や先輩農家さん視察(農大62、65日目)

寒い日が続きますね。
皆さん体調崩されていないでしょうか?

 

本ブログではまだまだ夏のお話しなので、気分だけでも夏にして、読んでみてください(笑)

今回は栽培実習のお話しです。

 

■植わっている作物を確認しつつ、収穫と出荷作業(農大62日目 7/20)

朝一は情報共有から。7月も後半になると、秋野菜の作付けを検討していく時期になってくるので、農大の圃場で育ててみたい野菜があれば、先生に伝えるようにとのことでした。

また、作業に追われて道具を圃場に忘れることが多くなってきているので、その点も注意をとのことでした。

 

情報共有が終わったら改めて品種説明ということで、今現在農大に植わっている作物について、実際に圃場を歩きながらどういう作目でどういう品種があるのかを確認しました。

ついでに、病害虫の状況なんかも確認しました。
 
有機圃場で確認。

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慣行圃場で確認。

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全圃場の確認が終わったら、作業開始です。
トマトの合掌を作り…(写真ありません、ごめんなさい…)
ズッキーニの摘葉をして…

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午前中は終了。
お昼ご飯をしっかりと食べて、午後はズッキーニの誘引からスタート。
イボ竹をさして八の字で誘引します。 

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誘引が終わったら、果菜類(トマト、ナス、キュウリ、ズッキーニ)の収穫と管理作業(摘葉、誘引)。
 
ナスの収穫風景。

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収穫した野菜たち。

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収穫したら箱詰め袋詰め(調製作業)をします。
 
各出荷場所によって箱詰めの規格、方法があるので、確認要とのことです。

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最後に出荷用にトラックに積み込んで、この日は終了です。

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■班長と二人で片付けと視察(農大65日目 7/25)

農大65日目は、多くのメンバーが大型特殊免許の講習の方に参加したため、班長と二人で栽培実習。

まったり作業です。

午前は、週末農業体験で収穫したキュウリ、トマト等の廃棄と、収穫箱(慣行、有機)の片付けからスタートして、トマト苗の片付けをしました。(写真なしです。)
 
次に、有機圃場の堆肥格納庫づくりのお手伝いをしました。

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続いて、除草作業。
慣行のトマト、ナス、キュウリ、スイートコーンの畝の通路を、モアと呼ばれる乗用の除草車にのって除草します。

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このモアが楽しいんです。車高低くて、カートみたいで小回りがきくし。
絶対レースしたい(笑)
 
これで午前中は終了。
午後は、市場や直売所、農大OBの方の畑を視察に行きました。
 
長坂駅前農産物直売所。
価格競争になってました。安い!!

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ひまわり市場。
ここはメディアにもよく出る有名なお店。POPが特徴的です。

himawari-ichiba.com

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農大の先輩(お二人)のハウス見学。

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とこんな感じで見て回って終了です。

スーパー、直売所では、売り方やおもしろいPOP等販売に関する部分のお勉強、農大の先輩のハウスでは施設管理の工夫や栽培の工夫などの生産に関するお勉強をしました。

どちらも楽しく、マネしたい部分もあり、今後に向けた参考になりました。

と、こんな感じで午後も終了。

班長と二人の栽培実習はあっという間でした。

 

7月終盤の栽培実習はこんな感じで終わったのでした。

 

 

 

法律、電力、栽培方法、機械、土壌について学びながら、圃場作業した4日間(農大61,66,67,69日目)

今回は4日分をまとめてご紹介。

基本は座学についてですが、途中圃場に出ての栽培実習のお話もあります。

少し長いですが、お付き合いくださいm(__)m

 

■法律5つを学び、電力問題について考える(農大61日目 7/19)

午前中は農業法規のお勉強。

果樹農業振興特別措置法、野菜生産出荷安定法、種苗法、農作物検査法、食品表示法の5つの法律について学びました。

 

果樹農業振興特別措置法は、昨今の経済状況や消費者ニーズ等を鑑みて、6次化等も視野にいれて、果樹生産をしていきましょうね、というもの。(だと理解。)

果樹施策の概要:農林水産省

 

野菜生産出荷安定法は僕にも関係あり。

野菜生産出荷安定法:農林水産省

「この法律は、主要な野菜について、一定の生産地域におけるその生産及び出荷の近代化を計画的に推進するための措置を定めるとともに、その価格の著しい低落があった場合における生産者補給金の交付、あらかじめ締結した契約に基づきその確保を要する場合における交付金の交付等の措置を定めることにより、主要な野菜についての当該生産地域における生産及び出荷の安定等を図り、もって野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資することを目的とする。」
というのが目的の法律で、消費者が相対的に多くなることが見込まれる野菜について、指定野菜として定義し、それを生産する地域を指定産地とし、生産出荷の安定などをはかります。
就農地候補の南アルプス市南湖も、夏秋きゅうり(7月~11月)、冬春きゅうり(3月~6月)の指定産地となっています。
 
種苗法は、品種の育成と振興、流通の適正化を図ることを目的としたもの。
「勝手に苗を外国とかに出しちゃダメ」というルールをご存知の方もいるかもしれませんが、それはこの法律の規定によるもの。山梨に比べて、長野県は先進的で登録品種も多いそうです。
 
農作物検査法は、読んで字のごとく農作物の検査に関する法律です。
 
山梨県独自のものとしては、山梨県青果物標準出荷規格があります。生産者としては、自分の生産する作物の標準出荷規格は覚えておかないとですね。
 
 
食品表示法は、販売する食品の表示について、基準等を定めている法律。
 
加工品は要注意です。ジャム、ジュース、ピクルス等々。自分で加工・販売する時は、県に確認をすること!と言われました。
 
それぞれ、内容を理解しておく必要があるな~と思いながら、必死にメモ取ってました(笑)
 
 
 
午後は、特別講義。
「農業と電力について」です。
 
平成23年に起こった東日本大震災の際に、ライフライン(水、電力)がストップし、物流もストップすることで食料確保も難しくなったそうで、この経験を機に、農家においても自家発電というものの重要性を認識し、自家発電を行うことも必要になってきた。とのこと。
ソーラーシェアリングもよく耳にしますね。
 
農地に設置する場合は、一時転用の許可が必要で、支柱は軽量で取り外しが容易なものである必要があり、コンクリートで固めるのはだめ、営農が適切に継続されることが要件となっています。
 
太陽光以外には、
風力…
 
水力…
 
 
なんてのもありますね。
地震に限らず、台風や大雪なんかでもライフラインが止まる可能性があるので、営農するのであれば、リスクへの対応を検討しなければ!と思った次第です。
 
 

■機械の扱いを学び、ハウスと作物を知る(農大66日目 7/26)

午前中は、農業機械の講義。
伝動装置、作業機の構造と利用(耕耘整地用機械、稲作用機械、野菜・畑作用機械)について学びました。
 
 
「作業時は圃場を確認して、どういう運行方法を用いれば良いかをイメージしておくとよいよ~」とか、「旋回する時には必ずロータリーを上げること。上げないと土が外側に流れて中央が低くなってしまうよ」とか、実際に圃場で機械(特にトラクター)を扱う時の注意点を教わりました。
 
「稲作は基本的に年1回なので、各種機械を使ったら、きちんとメンテナンスをすること。特に水洗いして天日干しして、ガソリンを抜いておくのを忘れずに。」
「農業機械は、日進月歩で進化していっている。そのため、新しい機械の情報をきちんと取得しておくことが大事だよ。」
というアドバイスも忘れずにいたいと思います。
 
午後は、栽培概論。
 
作物の話の前に、遮光冷房用の資材・機器と施設園芸について学びました。
高温対策としては、遮光、換気、冷房の3種類の方法があり、遮光としては、遮光フィルム、噴き付け遮光資材(主にガラス室)、近赤外線遮断フィルムがあります。
冷房はミストで行うが、山梨ではあまり普及していないそうです。暖房はヒートポンプの普及が進んでいて、地中熱交換ハウスなんてのもあるそうです。
 
施設園芸は複合環境制御というのが重要になります。
農大では、体育館の近くのポールに、日射計、風向計、風速計、温度計、雨量計があり、そのデータに応じてハウスの制御を行っているそうです。
確か、富士通さんのものだったはず。

jp.fujitsu.com

 

自分の圃場にもこ~ゆ~の入れたいな~。。。なんて羨ましく聞いてました(笑)

 

作物の話は、アブラナ科野菜の栽培について学びました。

具体的にはキャベツ、ハクサイ。

キャベツって、生で千切りにして食べるのは日本だけなんですね。

 
今年は、それぞれすごく高い値段がついてて、びっくり…
こういう時のためにも、自家用の野菜を作っておかねば!!!
 
 
 

■土づくりの奥深さを垣間見た午前、圃場で販売に向けた作業に追われた午後(農大67日目 7/27)

午前中は、土壌肥料の講義第1回。
土の管理が目的ではなく、作物の根がきちんと育ち、養分を吸収し、作物が十分に成長することが目的ということで、目的をはき違えないように要注意です。
 
作物に必要な要素としてはN(窒素)、P(リン酸)、K(カリウム)があり、消費量的には、K>N>Pという順番になるそうです。
N(窒素)、P(リン酸)、K(カリウム)、Mg(苦土)、Ca(石灰)が主力養分と呼ばれます。
 
 
有機態を無機態に変化させるのが微生物で、1g中に億単位の微生物が存在しているそうです!!
そのため、土中に微生物の多様性+分住を持っている方がよく、最近耳にするEM菌なども微生物の一種です。
 
 
もう少し突っ込んだ話もありましたが、ここではさわりだけ。
とにかく、マニアック。
土って極めるとここまで考えることができるのか!とびっくりします。
逆に、自分も農家になるのだから、そこまで考えないとな…なんて思いながら講義を受けてました。
 
午後は、栽培実習ということで、圃場で作業です。
作業のまえに、情報共有ということで、今後の販売実習に向けて販売モデル(AIDMA、AISAS等)のお勉強。
 
それが終わったら、これから圃場の担当分けをするとのことで、自分たちの班が担当する畝の発表がありました。
これ、間違っても自分たちのところだけ酷いなんてことにならないようにしっかりやらねば(笑)
 
更に、スイートコーンの収穫適期の見分け方について座学。
実際には適期を判断するのが難しいそうで、房を触って、先端がきちんと膨らんでいるものが適期。調製の際は、茎の部分を実の流れに沿って斜めにカットすると見栄えが良いとのことでした。
 
作業としては、販売実習に向けた規格・値段・袋サイズを確認し、
 

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実際に、袋詰めしてみます。

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ちょっとずつ、想定規格と販売するものでサイズ感が合わなかったり見たいなところもあるので、実際にやってみるのが一番いいですね。
 
そして、最後にトマト管理作業ということで、収穫と芽かき、誘引、摘果(害虫、尻腐れ等)を実施しました。

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で、管理作業中に、オオタバコガがトマトを食しているところに出くわしました。

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 こんな感じで、この日は終了。
 
 

■病害虫のお勉強と販売実習の振り返り(農大69日目 7/31)

午前中は、病害虫防除の時間です。
前回の講義で伺った病害虫防除所について、もう少し子細にお話を聞きました。
病害虫防除所は各都道府県に配置されていて、山梨県病害虫防除所は、植物防疫法 第32条第1項の規定および、山梨県行政機関等の設置に関する条例 第14条の規定に基づき設置されています。
農家にとって重要な防除基準や、サポートシステム等を提供していて、予察員という人が病害虫の発生予察を行い、ネット上などにこの情報をアップ、周知してくれます。
この発生予察をベースに、病害虫の予防対策などを行っていく事が大事とのことでした。
 
次に、病害虫の観点から日本全国の地域別の違いなんて話も聞きましたが、ここでは割愛。
 
最後に、トマトの病害虫ということで、病害診断フローを教わりつつ、青枯病、半身萎凋病、尻腐れ等の話を聞きました。
 
 
 
午後は、栽培実習。
 
 
 
はじめに甲府駅県庁防災新館で開催した第1回の販売実習の振り返りをしました。
「告知しないと、そもそも人が集まらない。」「レジ周りが並んでしまったので、もう少しスムーズにできるよう改善が必要」「キュウリ、ズッキーニの適正サイズが少なかった。管理の検討が必要。」「写真付きのポップがあったと良かったかも。」と、意見も活発に出て、次回に向けて、あれしよう、これしようと思いを巡らせました。
 
その後圃場に出て、トマトの雨除けを設置し、トマトの管理作業を行い、長坂駅にある直売所に出荷した野菜の売れ残りの片付けをしました。
が、写真がない!!すみません。。。
 
この日はこれで終了です。
 
 
講義に実習にと頑張った4日間でした。
講義も様々な分野で必要な知識が出てくるので、覚えておくのが大変。
こういう時は文明の利器に頼るしかないななんて思ってました(笑)
 
次回も栽培実習のお話になると思います。