虫と病気と栽培方法と獣と(農大71,76日目)
今週も雪が降りましたね~。
寒波はなかなかさってくれず、毎朝凍えています(>_<)
早く暖かくならないかな~。。。
ということで、気分を夏にするためにもブログは夏のお話しです(笑)
■病気と虫を学び、5つの作物の栽培方法を学ぶ(農大71日目 8/2)
午前中は病害虫防除の第3回目。
病害虫防除は作物の状況をきちんと見つつ、種苗会社のサイトや、山梨県病害虫防除基準・農薬適正使用指針などを参考に、適切に対応してね、というのがメインのお話し。
加えて、各地域でJAさんが防除暦というものを作っているとのことで、それにそって防除していくのも有効だよと教わりました。
(後日、就農予定地域のJAにいって防除暦ってありますか~?と聞いたところ、「果樹にはあるけど、野菜はないよ~」といわれました。どうやら、施設栽培の野菜はハウスによって環境が全然異なり、出てくる病害虫も異なるため暦という形で定めるのが難しいようです…)
その後は、施設トマト、露地トマト、施設キュウリ、露地キュウリ、露地ナスに発生しやすい病気と害虫についての説明を受けて、この日の授業は終了。
うん、きっと圃場にでて実物を見た時にはどれがどれだかわからない(笑)
ので、異変をきちんと感じ取る力だけは、農大にいる間に身に着けようと心に誓ったのでした。
(異変を感じ取れれば、あとは騒いで周りの人に助力を求めれば何とかなるだろうという若干他力本願な考え方ですが…初心者ですからね、それもきっと大事。)
午後は、栽培概論の授業。
ブロッコリー、カリフラワー、ダイコン、チンゲン菜・ターサイについて学びました。
カリフラワーは、普通に栽培しても奇麗な白色にならないらしく、実が充実してきたら葉を折るとかして実の部分に光が当たらないようにしないと、日焼けしちゃうそう。
ダイコンは、すべてが根ではなく、胚軸と根に分かれているそうです。
また、ダイコンは下に行けば行くほど辛くなるそうで、葉に近い部分はサラダなどに向いていて、下の方は薬味に使うなど、調理方法を変えるのが良いそうです。
他にも好光性と嫌光性の作物の違いとか、ハウスの塩類集積についても学びました。
病害虫に栽培方法に、色々学びの多い一日でした。
■獣との付き合い方を学ぶ(農大76日目 8/9)
76日目は鳥獣害の授業。
獣害対策と調査技術についての座学からスタートです。
まずは山梨で見られる獣についてのお話し。
アライグマは南アルプス市の甲西エリアに多く出没しており、年10頭ほどNPOにて捕獲していて、北杜市はいないけど、甲斐市、韮崎市当たりでは出てきていて、生息域を拡大してきているみたいです。北米原産のザリガニが大好きで、水田の近くを好み、亀とかもエサになってしまうようです。
次に、獣の習性について。
獣は普段ないものに敏感で罠が新しく設置された場合、まず警戒して近寄ってこないため、必ず通る他の選択肢のない獣道に設置するとか、餌の無い冬場に設置する等して、捕獲率を上げる工夫をするそうです。
調査技術についても学びました。
無線技術(VHF発信機)を活用してどこから侵入してきているのかを把握するそうです。(※さくらんぼ泥棒感知にも転用可能。)欠点としては、毛づくろい等でアンテナがもげてそこから漏電するといったこともあるとのこと。
また、植物が上に繁茂している等、障害物があると、無線が飛ばないため利用できないため、設置場所は検討が必要です。
GPSは映画とかだとすごい細かい精度で追跡ができてますが、民間で使うものの場合はそこまで精緻なデータは取得できないそう。また電池の限界というものもあり、万能ではないため、行動圏を把握するぐらいの目的で利用するのがよいそうです。
以下、先生が持ってきてくれた発信機と受信機の実物です。
・発信機
・受信機
最後に獣害対策・捕獲技術を学びました。以下ポイントです。
- 鉄砲は1543年頃に伝来したものだが、罠は1万年ほど前から存在する技術で、罠の歴史を探っていくと、とても面白く、獣と人間の知恵比べの歴史を学べる。
- 動物の生態を知りつつ、効果的な罠を考えると良い。
- エサを設置する時はビニール手袋+軍手等で人間の匂いを残さないようにする。残してしまうと、匂いを嗅いで避けてしまう。(雨が降れば匂いが消える。そのため、雨が降りそうな前の日などに罠を設置するとよい。)
ここまで学んで、じゃあ前回取り付けたセンサーカメラの中身を確認しよう!ということになったのですが…
何も映ってない!!!
恐らく、電池切れで撮影できなかったのではないかとのこと。
折角色々考えて設置しても、こういったエラーがあるとそれまでの作業が無になります。
チェックって大事ですね。
ということで、切り替えて、実習を開始。
はい、僕獣になってみました(笑)
獣になりきって、捕獲箱の仕組みを理解しました(笑)
次に、設置箱の解体。結構大変です。
解体が終わったら2班に分かれて、先ほどの発信機受信機を使った調査の実習と、罠の設置実習です。
調査の実習は、一方のチームが発信機を隠して、もう一方のチームが受信機で探しました。
受信機を使う時は、体の前に受信機を縦にして探すそうです。人間の体は60%〜70%が水分のため、縦にして持つと、後ろからの電波を遮断し、前方からのみ電波を受信するようになり捜索範囲を絞りやすくなるそうです。
こんな感じ。
この点に注意して、念入りにあたりを捜索して…
発見!!(写真真ん中あたりに見える赤いのです。)
ちなみに、隠す時に僕が隠したのですが、見つけずらい場所すぎて相手チームからクレームが来ました(笑)
相手チームが探している間は、改めて農大周りの獣の痕跡をチェックしつつ、罠(捕獲箱)の設置です。
サル用捕獲箱設置。柿の木にサルらしき被害があったためそこに置いて、釣り餌として色が判りやすい圃場のスイートコーンと黄色ズッキーニを置いて、ついでに改めてセンサーカメラを置きました。
ハクビシン用捕獲箱設置。桃をエサに誘導。
実習が終わったら、教室に戻ってきて最後は講義。
GISについて学びました。
獣のことを考え続けた一日。
移住してくる前は、獣なんて遠い存在でしたが、山梨では結構普通。
なので、大切な知識です。
今後に役立てねば~と思いながら、帰路につきました。
71日目と76日目はこんな感じでした。
座学に実習にと、知識を詰め込んだ2日間でした。